派遣業を行っている会社から派遣労働者が派遣先の機械で、操作を誤り壊してしまいました。修理費用だけでも数百万円かかります。派遣先から修理費用の請求が来てしまい、派遣スタッフの事故当時は派遣先の指揮命令下で働いていたことから派遣元に責任はないのではないかと考えていますが、法律的にはどうでしょうか?

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こんにちは!

大矢社会保険労務士事務所の大矢です。

派遣労働者が派遣先の機械を壊したとき

先に答えを言うと民法上の使用者責任を負う可能性があります。

 

使用者責任とは

民法は、715条本文から「ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。」としており、これを「使用者責任」といいます。

 

この使用者責任が認められると、派遣元が修理費用を賠償するという責任が発生します。

 

使用者責任は不法行為の一類型であ、責任の有無の判断や賠償額の判断については、具体的にどのような指示がなされていたのか、ミスの内容と程度はどれぐらいか、状況はどうだったのか、といった様々なことを総合的に考慮したケースバイケースの検討が必要です。

 

そのため、以下、一般的な考え方をご紹介します。

オススメ記事:障がい者雇用促進法が改正されます

労働者派遣契約と使用者責任

労働者派遣において、派遣スタッフを他社の派遣先へ派遣して派遣料を支払ってもらうことが、使用者責任における「事業」になることはわかりますよね。

 

派遣スタッフは、その事業をするために雇用されているので、派遣元としては、「ある事業のために他人を使用する者」と考えることが自然です。

 

しかし、実際の業務遂行を指揮・監督しているのは派遣先ではありますが、派遣元は派遣スタッフを指揮・監督するわけではないで、派遣元と派遣スタッフとの間に使用関係がないという考え方もあり得ます。

 

質問をした企業の主張としては、この考え方に基づくものだということですね!

 

派遣先の会社が派遣スタッフの現実の業務遂行を指揮・監督しているということは間違いないです。

 

しかし、使用者責任における指揮・監督関係は一つのみとは限らないため、派遣先と派遣スタッフとの間に指揮・監督関係があることだけでは、派遣元と派遣スタッフの間に指揮・監督関係がないということにはなりません。

 

そこで、派遣元は実際の業務遂行を指揮・監督していないという点が、どのように考慮されるかを考えます。

 

使用者責任の根拠は、事業を営むものとして、派遣で言うと派遣元が、使用している者の働きによって事業を営み、利益を得るということにあります。

 

派遣元は、自己が営む派遣業のために派遣スタッフを雇用して、派遣による対価を得ています。

 

つまりは、労働者派遣を行うことによって利益を得ているということになります。

 

さらに、実際の業務を指揮・監督することはなくても、例えば、派遣スタッフの勤務態度が悪いということであれば、派遣スタッフを懲戒することもしますし、業務の指揮をすることもできます。

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このような状況では、派遣元と派遣スタッフとの間に指揮・監督関係がないとは言い難いと考えれます。

 

以上のように考えると、派遣元が派遣スタッフを「使用していない」ということは認められないと考えるのがいいと思いますね。

オススメ記事:裁量労働制についてご存知ですか?

過失相殺

しかし、派遣元に壊してしまった派遣先の機械の修理費用を全額負担させるのも、ちょっとおかしいですよね。

 

派遣元が使用者責任を免れないとしてもですね、派遣先が実際の業務遂行を指揮・監督しているということがありますので、「過失相殺」が認められるということが考えられます。

 

過失相殺というのは、被害者、この場合は派遣先になりますが、損害が発生したことについて落ち度がある場合は、損害賠償額の算定においてその落ち度を考慮する制度のことになります。

 

例えば、派遣先に2割の過失があると認められたら、損害賠償額は2割減少するということがあり得ます。

 

被害者にどの程度の過失があるかは裁判所の判断によるので、実際にどのような判断がされるかは予測することは難しいですが、今回の質問のような事例では過失相殺が行われる場合が一定程度あると考えられます。

 

通常の派遣か紹介予定派遣か

通常の派遣よりも紹介予定派遣の方が、実質的には職業紹介に近く、派遣元としては、通常の派遣によるスタッフよりも指揮・監督から離れていると考えられます。

 

そのために、派遣した時点で、派遣元の手は離れているという主張をしてしまうかもしれませんが、紹介予定派遣であっても、派遣元と派遣スタッフとの間に雇用関係があるのは同じなので、紹介予定派遣でも今回のケースは当てはまることになります。

 

したがって、紹介予定派遣であったとしても、派遣スタッフのミスで派遣先に損害を与えてしまった場合には、派遣元が使用者責任を負う可能性はあります。

 

もっとも、派遣期間が終了して、派遣先が派遣スタッフを直接雇用した後については、派遣元は原則として使用者責任を負わないと考えられます。

 

当然、雇用関係にはありませんからね。

オススメ記事:価値観の多様化による正社員制度の変化

まとめ

派遣会社から派遣しているスタッフが派遣先で機械を壊してしまったが、派遣先の指揮・命令下でのことなので、修理費用を支払わなくてもいいのではないかという質問でした。派遣元と派遣スタッフとの間には雇用関係がありますので、使用者責任として修理費用の支払いは必要ですが、派遣先での指揮・命令下であったことから過失相殺が認められるであろうことから、全額修理費用を負担することはないと思われます。派遣スタッフなどの困ったことがありましたら、お近くの社会保険労務士にご相談ください。当事務所でも受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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