ある会社が13年前から個人事業主の方と取引をしていて、個人事業主の方が10年前に法人に成り代わりをされました。最近、支払いが滞っているので、支払いを請求したところ、『個人事業主のときに契約したものだから無効だ!』と言われてしまいました。代金の請求はできないのでしょうか?というお話を伺いました。

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こんにちは!

大矢社会保険労務士事務所の大矢です。

法人成りと契約継承について

今回、お話を伺うことができた事案は、ある会社が13年前、ある個人事業主と商品の売買をしていました。

 

個人事業主は、その後、10年前に法人成りして、ある会社との取引を継続して行っていました。

 

しかし、最近、数カ月は先方からの代金が滞っているため、代金の請求をすると先方から

「この契約は、個人事業主であったときに締結したものなので、法人成りのときに、契約書を改め
て交わしていないから、この契約は無効だ!」

ときました。

 

代金の請求はできないのでしょうか?

 

この事案の答えとしては、この契約は、ある会社と先方(法人)との間で有効であり、ある会社は代金の支払を請求できると考えて差し支えないということです。

 

この答えの理由なのですが、

 

原則では、個人と法人は別人格になりますので、法人成りによって、個人事業主として締結していた契約は当然、法人に承継されるというわけではありません。

 

法人に承継されるためには、以下の合意、どちらかが必要となります。

  • 契約を法人に承継するという合意
  • 新たな契約を締結するという合意

この合意は、契約書がなければ契約が成立しないというわけではありません。

 

確かにある会社は、先方の法人との間で新たな契約書は交わしていませんが、法人成りの後もこの契約を基にした取引を10年続けているわけですね。

 

ということは、会社と法人との間に、個人事業主のときの契約を継承するという合意、もしくは、新たな売買契約を締結するという合意がなされていたとみてよいことになります。

 

もし、先方の法人からの代金の支払について、先方の法人の口座から引き落とすといった方法で支払われていた場合は、これらの合意を推認させることになります。

 

また、先方の法人と裁判になったとしますと、法人成りをした後、10年ほど、個人事業主のときの契約に基づく取引を続けていたにもかかわらず、最近になって無効を先方が主張したとしても、信義誠実の原則に反するものとして排斥される可能性が高いです。

 

以上のことから、法人成りの際に契約書を交わしていなかったとしても、個人事業主のときの契約は有効であると考えられます。

 

おまけ

ある会社が、取引先であるA社から商品を購入しており、毎月末日に代金を支払っています。

 

前月分を支払うときに、A社の専務から、代金の振込口座を変更したという通知と連絡があったので、その指定された口座に振り込みをしました。

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しかし、その後、A社の社長から、「前月分の振込みがないので、早く支払ってほしい。」と連絡がありました。

 

専務から連絡があって支払ったと伝えたところ、「当社に専務はいたが、先日辞めたばかりだ。」とのことでした。

 

ある会社としては、A社へ代金を支払ったつもりですが、前月分の支払いはどうなるのでしょうか?また、当月分以降の支払いは誰に対して行えばいいのでしょうか?という事案を伺いました。

 

これは、前月分の支払いに関しては、専務は既にA社を辞めているので、A社とは関係ない第三者ということになります。

 

元専務には代金の支払いを受ける権限はないので、元専務に代金を支払ったとしても、A社に対する債務は残っていることになります。

 

しかし、今回の件は、元専務は、A社の専務として代金の請求を行っており、ある会社は、信じて元専務が指定した口座に代金の振り込みを行っています。

 

この場合は、「債権の準占有者に対する弁済(民478条)」に該当し、ある会社から元専務に対する支払いにより、ある会社のA社に対する債務が消滅する可能性があります。

 

「準占有者」とは、債権者でないのに取引通念上債権者らしい外観を呈する者をいいます。

 

ただし、準占有者に対する弁済として認められるためには、ある会社が、元専務を債権者であると信じたことについて、「善意無過失」であったことが要件とされます。

 

「善意無過失」というのは、元専務が債権者であると信じたことに過失がなかったことを言います。

 

具体的には、前月分の支払いを行う前に、元専務の言っていることが正しいのかということについて、相当の調査確認をしたことが必要になります。

 

どういうことかというと、例えば、A社社長に連絡を取り、口座変更が実際に行われていたかどうかの確認を行ったり、A社に実際に赴くといったことなどがあります。

 

一切調査確認を行うことなく、漫然と元専務を債権者だと信じて支払ってしまったという場合、準占有者に対する弁済は有効にはならない可能性が高いです。

 

その場合には、A社にも改めて代金を支払う必要があり、そして、元専務に対しては、支払ってしまった代金の返還を求めることになります。

 

当月分の支払いについては、A社社長の指示に従って支払った方がよいでしょう。

 

まとめ

法人成りと契約継承について、個人から法人に成り代わり、10年継続していたことから、合意をしていたと判断され契約は有効である可能性が高いと考えられます。支払い先を間違えた場合は、善意無過失であるかどうかになります。口座変更の際には、A社の別の担当者に確認するなどして、調査確認することが大事ですので、相手が変更してきた際には、注意するようにしましょう。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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