ある会社が60歳を定年として、65歳まで継続雇用制度を設定し、定年後、65歳までは1年毎の期間雇用、嘱託社員として勤務してもらいます。もうすぐ定年を迎える社員がおり、再雇用時に労働条件の見直しを行う予定です。そのときに、業務は定年前と変わらないのですが、賃金低下、手当不支給をしても良いのでしょうか?

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こんにちは!

大矢社会保険労務士事務所の大矢です。

 

嘱託社員の処遇について

概要

法律上では、定年を設定する場合、60歳を下回ってはいけないとされており、定年年齢が65歳未満の場合、65歳までの継続雇用制度を設けることと定められています。

 

定年後の雇用は定年前とは違い、期間の定めがあることが一般的で、今回の場合もこれに該当します。

 

期間の定めがあるということは、有期雇用として労働契約法第20条の適用があるということで、無期契約労働者との均衡が問題となります。

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最高裁判決

無期契約労働者との均衡問題に関し、最高裁判所は平成30年6月1日に判決を出しています。

事案の概要

Z社は、運送会社で、定年が60歳、65歳まで継続雇用制度を設けています。

 

Xは、Z社を定年退職した後に、継続雇用制度により有期契約労働者として、Z社では嘱託乗務員として就労していましたが、Z社の無期契約労働者との間で条件の相違がありました。

 

具体的な違いは以下の点になります。

  1. 嘱託乗務員に対し、能率給及び職務給が支給されず、歩合給が支給される
  2. 嘱託乗務員に対し、精勤手当、住宅手当、家族手当および役付手当が支給されない
  3. 嘱託乗務員の時間外手当が正社員の超勤手当よりも低く計算される
  4. 嘱託乗務員に対して賞与が支給されない

 

嘱託乗務員と無期契約労働者とは、業務の内容及びその業務に伴う責任に違いはなく、業務の都合により配置転換を命じられる点でも違いはありません。

 

ただし、嘱託乗務員に関する1~3の条件は、労働組合との団体交渉の結果という事情がありますので、話し合いをしているというの大きいです。

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判決内容

結論として、2のうちの精勤手当の支給がないことを違法と判断しました。

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3について「精勤手当の支給がないことが違法であり、本来であれば精勤手当も含めて割増賃金が算定されるべきである」という理由で違法としました。

 

判決のポイント

この最高裁の判決は、労働契約法第20条の要件のうち、「その他の事情」をかなり重視しています。

 

Xが定年後再雇用で、団体交渉が行われており、嘱託乗務員に対して年収が下がらないようにいくつかの対策を取っていたことが考慮され、ほとんどの手当不支給が違法ではないと判断されました。

 

今回の場合

今回の最高裁判決では、有期契約労働者と無期契約労働者とで「職務の内容」、「職務の内容及び配置の変更の範囲」が異っていないにもかかわらず、ほとんどの相違が違法ではないと判断されました。

 

この判例と比較すると、転勤や異動がなくなったり責任が軽くなったりする今回の場合、より待遇差は許容されやすいのではないかと思われます。

 

しかし、最高裁判決の事案でZ社は、嘱託社員について様々な対策を行っており、また、判決では、労働組合との団体交渉により条件が決定されているという点も重視されています。

 

こうした事情がない場合、「定年後の再雇用である」ことで労働条件を低くしても良いかどうかは今後の動き次第ではないかということになります。

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まとめ

嘱託社員は、通常の有期契約労働者とは違い、定年まで勤めてから有期契約に切り替わっています。これは正社員とのバランスを考える上では考慮される事情です。しかし、定年後も定年前と職務が同じだとすれば、「定年退職日」を境に待遇が低くなること自体、不合理ともとれます。定年後再雇用時の労働条件等に関しては、社内で協議し、ある程度の透明性があり、従業員が納得する制度を考え、整備することが重要であると考えます。こうした問題について、社会保険労務士は対応していきます。もしお困りでしたら、お近くの社会保険労務士か当事務所までお気軽にお問い合わせください。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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