法定効力のある就業規則について、今回は就業規則義務違反による罰則と効力発生等になります。就業規則には、備えなければ罰則があり、中小企業ではご存知ないという方は多いです。就業規則の効力もいつから効力が発生するのか、法令や労働協約、労働契約との関係、法的性質に関する主な判例等も交えてご紹介していきます。

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大矢社会保険労務士事務所の大矢です。

法定効力のある就業規則とは?②

就業規則義務違反に対する罰則

前回で説明した義務規定に違反した使用者には、30万円以下の罰金に処する旨の規定が設けられています。

 

つまり、作成義務のある事業場で作成していない、作成しても必要記載事項が記載されていない、届出がなされていないという場合には罰則の対象になります。

 

また、過半数代表者の意見聴取がなされていない場合や労働者への周知がなされていない場合も罰則の対象になります。

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就業規則の効力発生

(1)効力発生時期

就業規則の効力発生時期は、就業規則が何らかの方法によって労働者に周知された時期以降で、就業規則に施行日が定められているときはその日、定められていないときは労働者に周知された日と解されています。

 

したがって、周知されていない就業規則は、効力が発生しないこととなります。

 

(2)法的性質に関する主な判例

① フジ興産事件

「就業規則が法的規範としての性質を有するものとして、拘束力を生ずるためには、その内容を適用を受ける事業場の労働者に周知させる手続きが採られていることをようするというべきである。」

 

② 日本コンベンションサービス事件

「就業規則は、使用者が定める企業内の規範であるから、使用者が就業規則の新設又は改定の条項を定めたとしても、そのことから直ちに効力が生じるわけでない。効力を生じるためには、法令の公布に準ずる手続き、それが新しい企業内規範であることを広く従業員一般に知らせる手続き、すなわち何らかの方法による周知が必要である。」

 

③ NTT西日本事件

「労働基準監督署に対する就業規則の届出は、就業規則の内容についての行政的監督を容易にしようとしたものにすぎないから、届出は就業規則の効力発生要件ではなく、使用者が就業規則を作成し、従業員一般にその存在及び内容を周知させるに足る相当な方法を講じれば、就業規則として関係当事者を一般的に拘束する効力を生じると解すべきである。」

 

④ 秋北バス事件

「労働条件を定型的に定めた就業規則は、一種の社会的規範としての性質を有するだけでなく、それが合理的な労働条件を定めている限り、経営主体と労働者との間の労働条件はその就業規則によるという事実たる慣習が成立しているものとして、その法的規範が認められるにいたっているものということができる。そして、労基法は、このような実態を前提として、就業規則に関する規制と監督に関する定め(作成・意見聴取・届出・周知義務等)をしているのである。

 

その様な(手続きを踏んだ)就業規則は、事業場内での社会的規範たるにとどまらず、法的規範性が認められるに至っていると解すべきであるため、労働者は、就業規則の存在及び内容を現実に知っていると否とにかかわらず、また、これに対して個別的に同意を与えたかどうかを問わず、当然にその適用を受けるものというべきである。」

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法令、労働協約労働契約との関係

(1)労働契約との関係

<労働契約法7条>

「労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとする。」

 

「就業規則の労働条件」⇒「合理的+周知」⇒「労働契約の内容」

 

労働者と使用者が労働契約を締結する場合における、就業規則の労働契約内容に対する拘束力を定めたものです。

 

本来、労働契約の内容である労働条件は「労働者と使用者の(個別の)合意」により決定されるものですが、労務管理を画一的・統一的に行うことができるよう、一定の要件のもとに、就業規則に定める労働条件を労働契約の内容とすることを認めています。

 

ここでの「周知」は、労基法の周知方法に限定されず、実質的に見て事業場の労働者に対して就業規則の内容を知り得る状態に置いていたといえば足りるとされています。

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なお、労働契約において、就業規則の内容とは異なる労働条件を合意していた部分(=就業規則の内容を上回る条件)については、その「個別の合意の内容が優先」されます。

 

<労働契約法9条>

「使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない。ただし、次条の場合は、この限りでない。」

 

「就業規則の変更」⇒「(一方的な)労働条件の不利益変更」⇒「不可」

 

使用者が一方的に就業規則を変更することで、労働条件を労働者の不利益になるよう変更することを禁止した規定です。

 

労働契約の内容である労働条件は、「労使の合意」があれば、労働者の不利益となる場合でも認められますが、使用者の一方的な変更は許されません。ただし、次の例外規定もあります。

 

<労働契約法10条>

「使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、①労働者の受ける不利益の程度、②労働条件の変更の必要性、③変更後の就業規則の内容の相当性、④労働組合というとの交渉、⑤その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該就業規則に定めるところによるものとする。」

 

「就業規則の変更」⇒「(一方的な)労働条件の不利益変更」⇒「周知+変更の合理性」⇒「可」

 

就業規則を変更することで、使用者が一方的に、労働条件を不利益に変更することができる旨の規定です。

 

法9条(合意の原則)の例外にあたるものであり、どのような場合に就業規則による不利益変更が認められるかを明らかにしたものです。

 

これにより、就業規則の変更によって生じる法的効果を明らかにし、法的安定性を高めるとともに、使用者の合理的な行動を促すことを通じ、労働条件の変更に関する個別労働関係紛争の防止に資するようにしています。

 

なお、「就業規則の変更」には、現に存在する条項を「改廃」することのほか、条項を「新設」することも含まれます。

 

<労働契約法12条>

「就業規則に定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については、無効とする。この場合において、無効となった部分は、就業規則に定める基準とする。」

 

「基準に達しない部分は無効」と定めていますので、「有利な部分は有効」となります。

 

労働契約の内容 < 就業規則の内容

就業規則を下回る労働契約の内容は「無効」
⇒ 労働条件は就業規則で定める基準まで引き上げられる

 

労働契約の内容 > 就業規則の内容

就業規則を上回る労働契約の内容は「有効」

⇒ 個別の合意による労働条件が優先する

 

(2)法令及び労働協約との関係

<法91条1項>

「就業規則は、法令又は当該事業場について適用される労働協約に反してはならない。」

 

<労働契約法13条>

「就業規則が法令又は労働協約に反する場合には、当該反する部分については、法7条、10条、12条の規定(=就業規則で定める内容を労働契約の内容とする旨の規定)は、当該法令又は労働協約の適用を受ける労働者との労働契約については、適用しない。」

 

「法令」>「労働協約」>「就業規則」>「労働契約」

 

就業規則で定める労働条件が法令又は労働協約に反している場合には、その労働条件は労働契約の内容とはならないことを規定したものです。

 

つまり、就業規則よりも、法令又は労働協約の内容が優先されるとの趣旨です。

 

なお、法令とは、法律、政令、省令をいい、労働基準法以外のものも含みます。

 

また、労働協約との関係においては、「規範的部分(労働条件その他労働者の待遇に関する基準)」に反してはならないとの趣旨とされています。

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まとめ

法定効力のある就業規則とは、労働者に周知することで効力が発生しますが、使用者の一方的な就業規則の変更をすることはできません。就業規則を変更するときは、労働者へ周知し、不利益に変更するときは、変更の合理性があって変更することができます。就業規則は、最初にどのように作るかが重要で労働者にとって不利益に変更とならないようにしなければなりません。就業規則にお困りでしたら、お近くの社会保険労務士か当事務所までご相談ください。

 

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最後までお読みいただきありがとうございました。

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