採用・内定・試用期間について企業が理解しておくことの『その4』ですが、試用期間の扱いやその後の本採用について、注意しなければならない点がいくつかあり、過去には、試用期間における本採用拒否が裁判により争われた事例もあります。過去の事例を踏まえた上で自社の採用活動に役立てて頂けるよう紹介していきます。

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大矢社会保険労務士事務所の大矢です。

採用・内定・試用期間で企業が理解すること④

Q5 (試用期間)

入社後の試用期間中において、勤務態度が不良の従業員がいますが、何度注意しても勤務態度が改まりません。

当社の就業規則には、「試用期間満了までに社員として不適格と認めたときは本採用をしない」との定めがあるので、本採用を拒否したいと思いますが、何か問題があるでしょうか。

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<考え方のポイント>

1 試用期間とは?

本採用を前提とする試し期間。実際に就労させながら、採用した労働者が職業能力や企業適応性を有しているかの確認を行うことが目的。

 

2 試用期間を設けた雇用契約の法的性質は?
  • 解約権留保特約のある雇用契約。
  • 留保解約権の行使は、解約権留保の趣旨、目的に照らして、客観的に合理的な理由が存在し社会通念上相当して是認されうる場合にのみ許される。
  • 採用決定後における調査により、又は使用中の勤務状態等により、当初知ることができず、また知ることが期待できないような事実を知るに至った場合において、その者を引き続き企業に雇用しておくことが適当でないと判断することが、解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に相当であると認められる場合には、留保した解約権を行使することができるとしている。

 

判例では、試用期間を設けた雇用契約は、契約締結と同時に雇用の効力が確定し、ただ試用期間中は不適格であると認めたときはそれだけの理由で雇用を解約しうるという解約権留保特約のある雇用契約であるとしている。

 

そして、当該解約権の留保は、後日における調査や観察に基づく最終決定を留保する趣旨で設定されるものと解され合理性があり、留保解約権に基づく解雇は、通常の解雇よりも広い範囲における解雇の自由が認められるとしている。

 

しかしながら、試用期間中の労働者が他の企業への就職機会を放棄していること等を踏まえると、留保解約権の行使は、解約権留保の趣旨、目的に照らして、客観的に合理的な理由が存在し社会通念上相当として是認されうる場合にのみ許されるとしている。

 

採用決定後における調査により、又は使用中の勤務状態等により、当初知ることができず、また知ることが期待できないような事実を知るに至った場合において、その者を引き続き企業に雇用しておくことが適当でないと判断することが、解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に相当であると認められる場合には、留保した解約権を行使することができるとしている。

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3 試用期間における本採用拒否に関する裁判例
日本基礎技術事件

技術者として採用された新規学校卒業者を、6ヶ月の試用期間を4ヶ月が経過した時点で留保解約権により解雇したことについて、裁判所は解雇を有効とした事案。

 

原告(労働者)が起こした事故は原告や周りの者の身体声明に対する危険を有する行為であり看過できないこと、原告の時間や規則を守る意識が薄いこと、再三の注意にかかわらず睡眠不足とそれによる集中力の低下が生じていたことを総合すると、4ヶ月経過したところであるものの、今後指導を継続しても、能力を飛躍的に向上させ技術社員として必要な程度の能力を身に付ける見込みがない。

 

使用者は、改善の機会を十分に与え、本採用すべく十分な指導、教育を行っていたため解雇回避の努力をしていた。

 

有限会社X設計事件

本採用拒否(解雇)は無効。

土木工事の設計管理等を行う有限会社と期間の定めのない労働契約を締結し、稼働開始から3ヶ月弱で契約終了を通知された労働者が、会社に対し労働契約上の権利を有する地位確認等の請求をした事案。

 

会社代表者による契約終了の意思表示は、即日解雇ではなく、試用期間経過時に契約を解約する旨の意思表示であったと認めるのが相当であるが、労働者が基本的な設計図面の作成能力を欠いていたとは認め難く、同人の勤務態度が不良であるととはいえず、また、同人の行為により会社の業務に具体的な支障をきたしたとも認め難いから、試用期間中に判明した事実につき解約権を行使する客観的に合理的な理由が存在するとは認められず、会社による解約権の行使は社会通念上相当なものとして是認できず、その行使は無効なものと見ざるを得ないと判断された。

 

4 紛争を未然に防止するために
  • 労働者に従事する職務と期待する業績等は明確にされているか。
  • 試用期間中に定期的に勤務評価を行い、それを労働者に通知するとともに、業績に問題があれば、そのことを指摘するなど、指導教育を行い改善の機会を与えているか。

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まとめ

試用期間とは、本採用を前提とする試し期間で、実際に就労させながら、採用した労働者が職業能力や企業適応性を有しているかの確認を行うことが目的です。試用期間後に本採用を拒否をするときは注意が必要です。拒否するというのは、解雇と同じなので、合理的な理由がなければ行うことができません。人事労務に関するお困りは社会保険労務士にご相談ください。

 

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